BRM915福岡1000km　輝かしい嵐の中のサイクリング

お楽しみ福岡の1000kmブルべに参加してきました。

コース（前半)
http://yahoo.jp/_66vLd
コース（後半）
http://yahoo.jp/ubC_Aj

PC5までは比較的平坦に見え、後半に大きな山場が集まってる。一番の目玉は800kmを超えてからの阿蘇山。
600kmを超えた後の登坂の多さと接近する大型の台風16号。
今までにないエクストリーム臭がプンプンしているが、はてさてどうなることやら？

名門大洋フェリーにて5時半に新門司港へ着岸し九州入り。
スタート地点までは約40km、いつものように自走にて移動する。
輪行で移動すれば楽なんだけど、リカンベントの輪行し辛さが恨めしい。
台風が接近しているが、今のところは平穏な天気。
いや、そもそも大型で強い台風16号が発生しており、天気予報では16日あたりから影響が発生するとのこと。
900hPaですよ！！　もーでっかい！しかも九州！
そんな環境で走れるわけがないっ！DNSするのが当然で妥当だろう。

…普通のサイクリストであれば。
残念ながらすでに私もブルベ毒に犯されており、M度が増してしまっている。
いよいよ危なくなったら途中でやめてホテルにでも飛び込めばよいか、といった気分でスタート地点へたつ。

天気は晴れ、なんだかいい空。台風が来てるのがまったく考えられない。
私も含めてみな笑顔で談笑している。台風来てるんですが？ミンナヤメナイノ？1000キロダヨ？
やっぱり1000を走ろうかという人は変態を極めてるのですね。おぉ怖いこわい。

さて、私の今回の使用バイクは当然リカンベント。LWBの長いXStream。

高い衝撃吸収性と楽なポジションでロングライド向きのバイクだ。
ヘブンウィークの際には私のほか2台のリカンベントが参加していたが、さて今回は？
っと思って福岡代表のI本さんに尋ねると今回はロードだそうで、ロシアでリカンベントに懲りたそうな…
体が痛くはならないけど、登れないとのこと。
うーん、残念。決してリカでも登れないことはないのだけどなぁ。
てれすけさんは今回もリカンベント。ちょっと荷台の装備が変わってる。
っと、荷物拝見したら蜂蜜が2ボトルも…　
今回はリカンベント2台か…っと寂しく思っていると青いチャレンジのハイレーサがある！！！！！！！！！

オーナーさんとお話してみると関東で走られてるとのこと。
おぉ、噂に聞く関東のリカンベントライダーさんだ！ようやくお会いすることができて喜ばしい限り。
（せっかくの出会いであったのに、連絡先をお尋ねそびれてしまった…大失敗）

そして今回は台湾からの遠征組も参加している、遠路はるばるよくお越しくださいました。
でも、言葉の通じない異国の地で、台風来てるけど大丈夫なんかいな？

そんなこんなで台風が来てるとは思えないくらい和やかなランドヌールの雰囲気の中、ブルべスタート。1000km先のゴールを目指して。

走り出して気がついた、かなり蒸し暑い。湿度が高くて汗がどぼどぼと出る。
そしてPC1まではなんだかんだとアップダウンが多くてなかなかに疲れる。
先を走るランドヌールを捕まえることなく耶馬溪へ、鹿嵐峠をえっちらおっちらと登っていく。
いやはや、なかなか長い登りで疲れた…
峠を越えて道の駅いんないにてゆずソフトをいただく。

登坂で疲れた体にすっきりとした甘さが気持ちいい！
一息ついてPC1へ向けて再出発。
院内名物の石橋が時折現れる。趣があってよろしいね。

PC1宇佐到着　17:26　区間　時間5:33:28.2 距離104.62km Ave18.8km/h

この先の国東半島の道の駅で蛸飯を食べるつもりだったので、PCでは軽くつまんで再出発。
国東半島に入り快適に走る。が、走行中にランドヌールの姿を見かけない…
PC1でも少人数しかいなかったし、今回みんな走るの速いなぁ。台風来てるから速めに進行してるのだろうか？
日が暮れて19時過ぎに道の駅くにみへ到着。
21時まで営業してるはずのレストランが閉まってる！が、先人のランドヌールのおかげで蛸飯にありつけた。

うめぇうめぇ！

蛸飯でエネルギー充填して、走り出す。
すっかりあたりは真っ黒で見るべき景色もなにもない。
夜はつまらない時間帯の始まりだ。

PC2国東到着　21:20　時間3:27:18.4 　距離69.50km Ave20.1km/h

国東半島エリアも終了しほぼ平坦路になったがスピードがでない。
んーーいつものBaronなら平坦でヒャホーーイと登坂の借金を返していくのだけど、XStreamだとそんなに速度が出ない…
うーん、もどかしい！と思いつつ夜の別府の町を過ぎていく。
汗だくで気持ち悪いのでお風呂入りたいなぁぁあ、と思うが先はまだ長い。
ここでなるべく時間を稼いでおかないと…

愛媛街道を走行中に神埼のあたりだったか、深夜にもかかわらず中学生の集団が伴走車と保護者に守られて歩いてる。
はて、なんだろう夜間行軍？こちらにはそんな風習があるのかな？
雨の中ご苦労なことだね、っとパラツク雨の中自転車に乗ってる私が思ってみる。
すれ違いざまこちらのバイクを発見した中学生が『かっこいい！！がんばって！』と声援をくれた。
うへへ、恥ずかしい。お前らもがんばれよ〜と応援しかえしつつ走っていく。
夜はまだ長い。

PC3臼杵到着　2:15　時間4:29:56.8 距離95.30km Ave21.2km/h

ここまで、事前に立てた予定通り。
臼杵のジョイフルで2.5時間ほど休息の予定だったけど、汗と雨でジャージがべちょべちょ。
オンルートにコインランドリーがあったので、一式を乾燥させて仮眠。
のつもりが、虫がぶんぶん飛んでくるので眠れず。たまらずジョイフルへ移動。
カレーを喰って英気を養う。

4時、再出発。
臼杵から内陸部へ入り山がちなエリアを走っていく。
すると、ぽつぽつと雨が。
んー、そろそろ台風の影響がでてきたか？
もうちょっと激しくなったら雨具装備を考えよう。
あー強くなってきたな…と思った瞬間土砂ぶり！！！！
たまらず屋根を探し雨具をフル装備。
しかし、雨具を着たら雨が止むのはよくあること。
雨止んだやん！暑いやん！っと進行方法の雲を見ると雨降ってなさそう。
ぬぐべ！と脱いだしりからまたしても雨。
脱いだり着たりそんなこんなをしていると、もうバケツをひっくり返したような豪雨。
雨じゃぶじゃぶ。

延岡手前の峠を下る。
雨がひどすぎて路面がよく見えない。
ブレーキの利きもすこぶる悪い。
車、トラック通りも多い。

なんか神経つかって疲れてきたのと腹減ってきたので道の駅北川はゆまにピットイン。
宮崎恒例の冷汁をいただく。

さむい…　そういえばヘブンのときに食べた冷汁も雨に濡れそぼって寒かったな。
またしても雨か。よくよく運がない。

食べ終わり、表にでるとまた豪雨。出走するのをためらうほど。
まぁ、ここでまってても天候がよくなるわけもなく。次のPC日向を目指して出発。

延岡を越えて、ヘブンで撮影できなかった土々呂駅をパシャリ。

PC3日向到着　12:30　時間10:08:15.1 距離128.74km Ave12.7km/h

さて、そろそろ風も雨も本格的に強くなってきて台風の様相を呈している。
そもそも、日向到着前に道路が冠水していた。深さはハブの高さぎりぎり。
なんだこりゃｗｗｗｗ　笑うしかねぇよ〜ｗｗｗｗｗｗ
ゲラゲラ笑いながらジャボジャボを水の中を走っていく。
私リカンベントなんで靴が水につかることないけど、これロードだったらペダル下死点で靴浸水じゃない？
おー怖い怖い。といっても、もし今回ローレーサできてたらシートが着水しそうな勢いだけど…

とりあえず、もうちょっと進んで宮崎でやめても良いやと考えて出発。
でも、まだ強風域で暴風域には入ってないのだよね。このさきもっとひどくなるとはどうなることやら。

宮崎に向けて走って行くと雨が止んだ。
なんだ、いけるやん。
ただ、風がきつい。平坦路なのにMax19km/hしかスピードが出ない。
う…これは時間的にきつくないか？
PC4の日南までは平坦なので時間を稼ぐはずなのだけど、だめ。
途中オダ近ズとも一緒に走っていたが、しばらくの後に外れてしまった。

すすまねぇーーと思いつつ走る。いや、走れてない。
青島あたりのコンビニにランドヌールが。
立ち寄ると、I本さんと、inainaさんたちだ。
ここから風がきついことが予想されるからハンドルとられに注意とか。
ふぅ、みんな好きですね。

再び雨が降り出し、強風にあおられて雨がバチバチと合羽に大きな音を立ててあたっている。
また、でっかいシュロの木の皮がバンバン路面に落ちててというか、走ってる間にも上から落ちてくる。
おおおおお、本格的に危険になってきた。危ない！！！

堀切峠をひぃひぃと言いながら登っていく。
もうすぐ頂上だっ！！！

ゴゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ

っと、頂上を目前にして超向い風に吹かれ速度0になりあわや転倒しかける。
あかん。あかん！これあかん！！！！
風きつい！！！！！
正直日向までは楽しかった。大雨が降ってるだけだったから。
しかし、この風はあかーーーーーーーーん。

よろよろと自転車を押し歩きするがそれでも風にあおられふらつく始末。
左手の海からは荒れ狂う波のしぶき。全方面から吹き付ける暴風雨。夜になり見えづらい路面。
日南海岸線コワイ！！
いきなり横から吹き付けてくる暴風によりセンターラインまで持っていかれる車体。
車通りもほどほどにあるのでこれも怖い。

BRM915福岡1000で台風16号の暴風圏に入った堀切峠です。強風のため自転車に乗ることはかなわず、よたよたと押し歩きです。
途中左右にカメラが振られていますが、風にあおられてハンドルを取られているためです。
ここから先の日南海岸線は荒れ狂う暴風雨でそれはそれはもう...
エクストリームブルベの一端をお楽しみください。
台風のときは家にいましょう。はい。

PC4の日南に到着するころにはすっかり憔悴…

PC4日南到着　19:59　時間6:57:28.8 距離111.54km Ave16.0km

PC4には多数のランドヌールが居て今後の対策を話し合っている。その中には台湾チームの方々も。
もっと先を走ってると思ったが、やはり台風の影響はいかんともしがたいのか？
ちょうど接近のピークらしい。3時ごろになれば台風が行過ぎるはず。
次の都城まで54km、峠越えで盆地に入っていく感じ。
もーーむりむりむりって状態だったけど、とりあえず腹ごしらえ。腹減ってるとろくな考えしないしね。

あったかい餡かけ焼きそば、おにぎり、みかんゼリーを腹に入れて復活。
都城まで行けばホテルもあるし、距離も短いし何とかなるか。

重い尻を上げて都城まで走っていく。
しばらくはゆるい登りだけど、超追い風のため楽々と走っていく。
そして、差し掛かった峠。
斜度はそんなにきつくないはずなのだけど、風が荒れ狂っていて進まない。
上空からは暴れる風。

ゴゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゴゥウウウウウウウウウウウウウウウババババババババババババババババババババババシューーウウゥウウウウゴオオオオゥウウウウ！

非常に不安にさせる音がなっている。
前、横、後から風が吹きつけみもくちゃ。
前からの風は登坂速度を瞬時に0km/hに押し戻す。
横からの風はセンターラインやガードレール、側溝へ押し流す。
後からの風はペダルを踏んでいないにもかかわらず尋常じゃない速度で坂道を駆け上がらせる。
いやいや、ありえんって。

谷を渡る高架橋などでは押し歩きですら一歩も前に進むことはできず、地面に伏せで風が行過ぎるをのを待つばかり。
あ、あかん。これほんまにあかん。
アカーーーーーーーーーーーン！！！！

日南までの道のりも大概だったけど、この峠は輪をかけて危険を感じさせる道程。
それでも、なんとか這う這うの体で峠の頂上にたどり着き、都城へのくだりにはいる。
ちょっとは気が楽になるかと思いきや、路面には木の枝が散乱しており風も暴れまくっている。
速度を抑えて抑えて安全に下る。スピード出しちゃったら横風に煽られて一発コースアウトだから…ね。

PC5都城到着　1:08　時間4:18:47.8 距離54.07km 時間12.5km/h

もう身も心もヘトヘト。
ここからPC6加治木までは再び峠を越えて向かわねばならない。都城は盆地だから…
この状態で再びさっきと同じような峠越えをするのは無理！！！

もーむりむりっ！！

ってことで、コース上のホテルに飛び込みチェックイン。台風が少し行過ぎるまで寝る！
ジャージを洗って体洗って、全裸になってベッドに飛び込みリフレッシュ。

4時間も眠れば体も回復して台風もましになっているだろう…
つか…れ…た…

…
………
………………
……………………ズキン

眠りに落ちたと思ったら左下腹部に強い痛みが発生。
ベッドで悶絶、嘔吐と下痢を繰り返す。
もう出るものもないのに嘔吐を繰り返す、もう白い泡しかデナイヨーーー
なんだコレ！勘弁してくれーーーー

結局朝10時ごろにようやく小康状態に。
でもちょっと力を入れたら胃が痛いし、お腹もゆるい。
リスタートできるのか？と悩むが、飯も食えないし力も出ない。
すでに時間は大幅に借金状態だし…
認定外完走を目指して走ることも考えたが、再び昨夜のような状態になってしまっては危険だ。
もし山の上であんなことになったら…
台風の影響は少しましになったとはいえ、まだまだ天気は悪い。

だめだこりゃ。
ホテルに連泊の手続きをしてDNF連絡を入れる。
564km、都城まで来て私の福岡1000のチャレンジは終了した。