パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

BRM715 徳島200 Sword Dance その2 リカンベントで剣山を登頂、迫りくるPC1クローズの恐怖

汗をかきまくって干からびて
脚を使ってヘロヘロになって
日に焼かれ意識朦朧となって


ようやく到達した剣山の見ノ越!!!



時刻は12時49分、川井峠が9時44分だったので都合3時間も登ってきたのだ。
暑さでヘロヘロだけれどもこれからは下りと平坦基調だ。
もうゴールしたも同然ですやん?
楽勝やん?


思えばこの時にきちんとPC1までの残り時間と距離と必要な移動速度を冷静に計算すべきだったのだ。
しかし、この時の私はそんな余裕はなく『涼しいところで休憩したい!!!』という思いしかなかった。


剣山観光センターでゆずサイダーを頂く。

冷たい炭酸とゆずの爽やかな風味が茹蛸になった体に染み入る。

くぅ〜旨い!!!


頭に水をぶっかけてクールダウンしたりボトルの水を補充したり。
峠到着から15分の休憩の後、再スタートを切る。
しかしスタートしようとペダルに脚をかけた私の目に『祖谷そば』の文字が飛び込んできた。
これは!
『祖谷そば』を食べずにいられようか?いや、いられまい。
スタートを取りやめて再び休憩タイムへ突入。


思えばこの時にきちんとPC1までの残り時間と距離と必要な移動速度を冷静に計算すべきだったのだ。
しかし、この時の私はそんな余裕はなく『祖谷そば食べたい!!』という思いしかなかった。



ついでに剣山のバッチもゲット!

せっかくここまで来たのだから剣山記念品くらい欲しいよね。次はいつ来れるかわからないし。


お腹も膨れたし剣山記念品もゲットしたしルンルン気分で再スタート。
休憩時間は合計28分30秒。


思えばこの時にきちんとPC1までの残り時間と距離と必要な移動速度を冷静に計算すべきだったのだ。
しかし、この時の私はそんな余裕はなく『剣山超えたら楽勝やろう』という思いしかなかった。

■苦難その4
実は見ノ越到着の時点でのグロスの速度は11.9kmphだったのだ。
ブルベ完走に必要なグロス速度は15kphなので大きく下回っている。
そもそも出走前にKONNOさんに『見ノ越12時半だと厳しいかもしれんね』という話は聞いていたのだ。
私が見ノ越についたのは12時49分、グロス速度は11.9kph。
そう、PC1に到達するための余裕がほぼないのだ。
そんな余裕のない中私は祖谷そばを食べ余裕ぶっこいて30分弱も休憩してしまった。
リスタート時刻は13時16分でこの時点でグロス速度は11kphにまで下降している。
PC1までの距離は73.6kmで残り時間は3時間6分だ。
ということはPC1までのグロスを24.5kmphで進行しないといけない。


平均24.5km??楽勝ですやん〜
なんて思う方もいらっしゃると思うだろう。しかしパンクしたら?何かメカトラが発生したら?睡魔が襲ってきたら?
などなどを考えるときつい、いやそもそもノントラブルでもグロス24.5kmphは結構ギリギリのラインかも?


しかし余裕かきまくりで再スタートした私はいまだその事実を知らない。
かずらばしにで記念撮影。

そのあとようやく冷静になりPC1までに必要な速度を計算しだした。

………
…………
………………
…………………


あ、これやばい。
めっちゃギリギリですやん。
でも、それでも剣山の下り道で速度が稼げると思っていた。
思っていたのだけど、剣山の下り道は道路幅が狭く1〜1.5車線程度でブラインドカーブ多数で路面が悪くて対向車が多い。
しかも対向車はコーナーで膨らんで結構な速度で突っ込んでくるので道路の狭さも相まってキープレフトで走ってる私が対向車と正面衝突しそうになること数回。
あかん、あかん、めっちゃこのくだり危ないやん!!!!!!

危ない=速度が出せないので『剣山の下りで時間を稼げるだろう』という目論見はもろくも崩れ去る。
これ以降は余裕がなく祖谷渓谷などの景色を見物することができず、目を三角にして走らざるを得ない状態になってしまった。


それでも途中かかしの里があったので写真は撮ったりしたのだけどね。

このかかしの里、たくさんのかかしがあって物言わぬ人形がいるのでちっと怖い。夜中にこの道走ったらさぞかし肝が冷えることだろうね…





祖谷渓谷を臨むしょんべん小僧。

もっとゆっくり見物したかった…
しょんべん小僧にて他のランドヌールに遭遇して少し言葉を交わしたのだけど
他『PC1まで時間きついですよね』
私『いやいや、結構やばいで!!』
などと。


もうそこから本気モードでペダルを踏みまくり。
あゝ祖谷の景色を堪能したかった…;;



PC1までの道のりを間に合うか間に合わないかの計算をしつつ走るが途中で計算を間違えて『どうやっても無理』という結果がでてしまって。

苦難その1で南海電車の不通を乗り越え
苦難その2で反射ベスト忘れを乗り越え
苦難その3で睡眠不足を乗り越え
猛烈な暑さの中を剣山見ノ越を乗り越えてきたのに。


まさかこんなところでPC1に間に合わずタイムアウト
まじか?
コース作成の義理を果たすためにも走っていたのにDNF?????
情けない…
しかも今までいくつかブルベを走ってきたが未だかつてタイムアウトでDNFというものは経験したことがなかったのだ。
絶対に完走したいこのブルベでまさかの人生初タイムアウトDNF。
もう、それがショックでショックで。
PC1に間に合わないならもうペダルを踏む意味もない。
頑張って走る意味もない。
もうゆっくり走って認定外完走を狙うか?


もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。

もうやめちまおう。
いや最後まであきらめるな。



なんてことをぐるぐる考えていたが、やっぱり最後まであきらめないことにした。
なにか奇跡が起きて間に合うかもしれないからね。


なんて頑張って走っていると、計算の間違いに気が付いて
『あれ?もしかしてギリギリ間に合うかもよ?』
ということに気が付いた。
良かった、あきらめずに走ってきていて。
あそこであきらめていたら『実は間に合っていたのに勘違いでタイムアウト』なんて情けないことになってしまっていただろう。


何事も諦めないことが肝心だよね。


幸いにもパンクや睡魔からの仮眠などのイレギュラーは幸いにも発生せず。
16時22分クローズのPC1に16時8分に到着。
残り14分だった。あぶない危ない。
祖谷渓谷のしょんべん小僧で出会ったランドヌールたちもギリギリ滑り込んできてクローズに間に合った。
良かった良かった^^


PC1にたどり着いたのとここまでがんばって走ってきていたのとで25分もの休息を取得。
ゴールまではほぼ平坦で距離は58kmで残り時間は3時間27分。


淡々と走れば問題ないよね。
しかし最後まで楽はさせてくれない。
最後の58kmは強い向かい風がまっていたのだ。
これはロードの人たちは嫌だろうなぁ、剣山で体力削られて最後に強い向かい風のフラットって。
でも幸いにも私はリカンベントだ。向かい風の影響はロードの人たちよりも少ない。
PC1〜ゴールは景色を楽しみながら走ることができた。



19時16分ゴール!
色々と障害はあったもののこのブルベを無事に走り切れることができた。
ブルベ復帰の初戦、コース作成への恩返し、など私にとっていろいろな意味を持つブルベであったけども本当に完走できてうれしい。
途中で『PC1にはもう間に合わない』と投げ出さなくて本当に良かった。
あの時に投げ出してしまっていたら、とっても情けない気持ちになっただろうし、早々に諦めていた自分を嫌いになってしまっていたことだろう。
本当に良かった。


このブルベを走る機会を与えてくれた皆さん、暑い中一緒に走ったランドヌールの皆さん
本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。
また、どこかのブルベでご一緒しましょうね。



距離
212.08 km
カロリー
3,958 C

時間
12:46:15
移動時間
10:49:22
平均速度
16.6 kph
平均移動速度
19.6 kph
最高速度
56.5 kph

平均パワー
125 W
Normalized PowerR (NPR)
135 W
TSR
399.6
運動量
3,961 kJ

高度上昇
2,444 m
最低高度
1,433 m

平均気温
31.1 °C
最低気温
23.0 °C
最高気温
40.0 °C