パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

GF吉野2012 リカンベントで山岳グランフォンドSLコースの完走は可能なのか?

さて、やってきたグランフォンド吉野本番。
今年は6時スタートと例年の夏開催よりも1時間早い。
10月開催だし日が短いのでいたし方なしか。
5時に会場入り、まだ日は昇っておらず肌寒い。
ジャージ+アームカバーの格好じゃぁ寒かろう。
スタート1時間前だからはやく自転車組みてスタートエリアに並べないと!!!
と急いでいったら、スタートラインに並んでる自転車は0。
ええ、第一号でならばさせてもらいました、今年は最前列スタートで位置取りも完璧。

スタート前の健やかな空気の中友人たちと歓談してると、三船さんがやってきた。
やめてください、私の自転車にいたずらするのは(笑


今回の使用バイクは前回同様にリカンベントでRansのF5pro。

車重11kgとリカンベントの中では比較的軽量な上に素直なチェーンラインと立てられるシート角に高い目のBB位置、登坂に強いリカンベントだ。



三船さんいわく、足の郷の下りも危険だけど行者還の下りのほうがスピードが出やすし車も多いので危険とのこと。これは注意してかからねば。


天候は晴れだけど前日の夜に降った雨の影響で路面がぬれてる&ガスが出ている。
雨が降ってないだけましだけど、たぶん足の郷の下りとかぬれてるだろうなぁ…と気が重い不安だ。
そんな不安を抱えつつグランフォンド吉野SLコーススタート!!


吉野山をざざっと下る。
が、今回初めて履いたタイヤ、コンチネンタルの4シーズンのグリップ力が良く分からんのでおっかなびっくり。
先頭で出発したが、津風呂湖への緩い登りに差し掛かった辺りで案の定集団からおいてかれ、あとから出発した人たちにも抜かれていく。
まぁ、これは想定どおり。だってSLに出るような人はガチで乗り込んで速い人ばかりだもの。
おまけに緩斜面はリカンベントとロードとで速度差が出やすいシチュエーション。
私のような一般人に毛が生えたような脚の人は抜かれて当然。
ブルベでおなじみのO合くんにも早々に抜かされのんびりと走っ…ってたら駄目なので、私は私なりのペースを作って走る。
なんせ、いつものブルベだとグロスAve15km/hでクリアできるけどこのイベントは19.5km/hが必須。
普通のコースならいざ知らず、獲得標高4000mの195kmでは中々に大変な数値だ。


ばんばんとロードの人に抜かれていき、一つ目の峠の手前のアプローチで三船さんにも捕まる。
あれ?今年は速くない?前回は足の郷の手前で捕まったのに…
一つ目の峠を越えてたかすみのエイドへ。

  • スタート〜たかすみエイド 時間 7:53

距離 41.46 Ave 23.0


エイドでゆっくり休んでいきたい所だけど、バナナを食べてトイレを済ませて柿の葉寿司とアンパンをポケットに入れて走り出す。所要時間は3分。グロスAveをあげるには休憩を減らすのが手っ取り早いのだ。
さて、目標としていた前回の走行タイムとの比較は、ほぼ同着。うんいいタイム。この調子でいこう。


たかすみから足の郷までは下り基調。
快調に飛ばしつつ、足の郷の下へ到着。

  • たかすみ〜足の郷下 時間 8:21 距離 13.56 Ave 29.1


足の郷を登る、いつもながら序盤から10%越えの厳しい峠だ。
インナーxローに入れて脚に負荷をかけないように登って行く。
28x27のギア比1.03の軽いギアでもキツイ、おまけに路面はウェットで滑りやすく乱暴にペダリングすると後輪が空転する。
いつもなら足の郷で後続に抜かれたり前から落ちてくる人を捕まえたりするのだけど今回は完全に一人旅。
劇坂を登るリカンベントにロードの人がびっくりする様が楽しみなのに、残念。

GPSの高度表示ではそろそろ頂上が感じられる。
しかし、いつ見てもえげつない高低図だなぁ。見えますかね?GPSに表示されてる峠…えげつないとんがり方だ。

  • 足の郷下〜上 時間 9:13 距離 7.01 Ave 8.0


峠の頂上に到着。今年は給水車はなし。
足の郷を下っていく、下りの路面もウェット。滑りやすい上に岩がごろごろ、グレーチングは隙間開いてる、下りはのぼりより劇坂な塩梅でとても危険。
こんなところでスピードだして時間を稼ぐのは間違い、ここは安全確実に下っていくのが正解だよね。
っと、安全スピードで下っていくが車高の高いF5proではスリッピーな路面の下りは怖い。
そして、足の郷の下りのいつもの景色、パンク修理する人々の姿が。
丈夫なタイヤを履いてなければここでパンクする確率が非常に高いのですよね。
事前のタイヤの選定からすでに勝負が始まってるのですよ!!


足の郷を下り終わり、いつもなら5番関へ向かうところだが今年は通行止めの影響でコースが変更になっている。
一路上北山村方面へゆるゆると再び登って行く。
大迫ダムのエイドでチェックと補給を受けて走り続ける。

  • 足の郷上〜大迫ダムエイド 時間 9:43 距離 13.24 Ave 26.8


大迫ダムからループ橋を渡ってトンネル区間へ。
天気の良い3連休中日。車の数がおおい。
新伯母峰トンネルなんて登りかつ長いトンネルなので、追い越していく車が怖い怖い。
行者環の登りまでのつかの間のダウンヒルを楽しむ。

  • 大迫ダムエイド〜行者還下 時間 10:20 距離 9.98 Ave 16.0


さて、SLコース最大の山場行者還がとうとうやってきた。
足の郷などは何度も登っているのでなんら不安は無かったが、行者還は今回が初めて。行者還関門までの残り持ち時間は1時間15分。これだけあれば大丈夫だろうと思うものの、不安だ。
ここを超えられなければ今までの苦労は水の泡。
気張っていくぞ!と思ったとたん脚から力が抜けていく…
え?なに?補給はちゃんと取ってるのでハンガーノックはないだろうに。でも、とりあえずストックのジャムパンを喰う。
ちょっとましになったがやはりパワーが落ちてる。
ここまで頑張り気味に走ってきたのでガタが来たか?
駄目なものは仕方ないので、できうる限りの踏みで登って行く。
景色がきれいだ。

だんだん、持ち時間が少なくなっていく。
まだ頂上は見えない。
次第に焦りが出てくる。まだか?まだか?
っと、現れたトンネル!

やった!このトンネルを抜けたところが行者還関門だ!
間に合った!!!

  • 行者還下〜行者還関門 時間 11:20 距離 10.97 Ave 10.9


なんとか10分の貯金でクリア!
やった!行者還さえクリアできれば後は楽勝!
ここから先、野迫川の手前まで35kmは下り基調。
前回は五番関関門をクリアしたところで余裕ぶっこいて15分仮眠してしまったが、今回はそんなことはしない!
すぐに出発し、行者還の下りに入っていく。


うわさどおり景色がきれいだ。山が美しく、川の水が澄んでいる。
もう2,3週間遅ければ紅葉も楽しめるだろうな。


などと思いつつ下る。
スピードが結構出やすい下りなのだけど、路面が結構荒れていて突然穴が現れたり、岩が落ちてたりと気が抜けない。
また、釣りや行楽の人の車がたくさん駐車されているし、離合不可な細い曲がりくねった道が続く中対向車もほどほどに走ってくる。これもブラインドカーブに気をつけないと車と正面衝突してしまうような恐れがある。
下りはリカンベントの活躍の場なのでヒャッホイしたいところだが、安全マージンを取って下っていく。
下りは安全確実に。

  • 行者還〜天川エイド 時間 11:52 距離 14.17 Ave 27.0


天川エイドでゆっくりしていきたいところだが、ここで脚を緩めてはいけない。
いつものごとくバナナを食べ、柿の葉寿司とパンをストックとして頂いて走りだす。
天川からは道が広くなり中々の快走路。
リカンベントの本領発揮して、ぐいぐいとスピードを上げていく。行者還の登坂で抜かれたロードの方々をここで捕まえて先行する。


そして、野迫川へ入る登坂の登場。
この辺りになるとロードの方々も疲労が溜まっているようで登坂時の上半身がブレブレになっている。
疲れてくると上半身を押さえ込めないんだよね、そしてその状態になるとペダリング効率が悪くなるんだよね〜
っと、寝そべりながら見ている。
リカンベントの場合はシートが体を支えてくれてるので、ペダリング効率はずっと良い状態が保たれている。そうすると、リカンベントのほうが登坂が速くなったりと立場が逆転するんだよね。
これも、リカンベントの醍醐味。省エネで高効率。本当によい乗り物だ。

  • 天川エイド〜野迫川エイド 時間 13:10 距離 31.21 Ave 23.9


野迫川エイドが最後の補給ポイント。
ここまでのエイドはものの5分もかからずに出てきたけど、ここはゆっくりする必要がある。
なんてったて、野迫川エイドにのみ存在する補給食があるのだ!


豆腐!

豆乳!


嗚呼、旨い旨い。
これは野迫川にたどり着いた者のみのご褒美だ。
あれ?? 今年はそうめんはなしですか?そうですか…
そういえば、心なしかここまでのエイドの食料がグレードダウンしてるような…オレンジとかあったよね?
最後のお楽しみの抽選会もなくなってるみたいだし、厳しいのかな?


野迫川から最後の関門黒駒までは27km。
前回はこの区間タイムアウトになったのだ。
持ち時間は1時間50分。余裕ではあろうかと思われるが、ここで気を緩めてはいけない!
豆腐2個と豆乳2杯を頂いてすぐに出発。


ラス3の峠を登り、集落へ。
なんだか、お祭りの雰囲気。

いまにも見越し担ぐデーといった空気感のなかリカンベントで走り抜けていく。
わーめっちゃ見られてるのですがwwww
恥ずかしいので、ちょっと手を振りながら集落を抜ける。
応援、声援ありがとう〜


ラス2の峠もクリアし、黒駒までは楽勝の下りのみ。
やれやれ、今年はなんとかクリアできそうだ。

  • 野迫川エイド〜黒駒関門 時間 14:23 距離 27.50 Ave 22.8


37分を残して最終関門をクリア。
残りは23km、楽勝やね。
ここでやっと気が緩んでスタッフのO森さんと少し話をして再出発。
あとは平坦のみだけど、最後の最後で向かい風。
これはロードの人にとってはつらいだろうなぁと思いつつ、走っていく。リカンベントはロードほどには向かい風の影響はないのだ。
ぽつぽつとロングコースの参加者の方を抜かしながら走っていく。
そして、最後の吉野山への登坂。
緩く林道を登って、最後にちょいとキツイ斜度がでてゴールの駐車場が見えてきた!ゴールだ!!

  • 黒駒関門〜Arrive 時間 15:30 距離 23.54 Ave 20.9


Total
距離: 192.64 km
タイム: 9:25:55
平均スピード: 20.4 km/h
平均移動速度: 22.5 km/h
高度上昇値: 3,306 m
カロリー: 3,730 C
平均気温: 16.0 °C


なんとか、30分残してゴール。
やっと、5年越しのチャレンジが実を結んだ。
大会史上2人目のリカンベントでの完走者だ!
やったー


初めてロードで参加したときには絶対リカンベントでは無理だと思い、リカンベントでの完走者がいると聞いたときには信じられなかった。いったいどんな超人だよと思ったもんだ。
しかし、私もようやくその境地の一端に手がかかった様な気がする。一般人に毛が生えたような脚だか、やればできるもんだ。
リカンベントでも山岳グランフォンドをクリアできるもんだ。
すばらしい、リカンベントが坂を上れないというのは矢張り嘘だったのだ。今回私が身をもって証明したぞ〜
やったー。


そして、2012グランフォンド吉野の完走率が公開された。
■ショートコース  98.1%
■ロングコース  98.4%
■スーパーロングコース  59.3%

SLコース前回よりも完走率低くない?
行者還関門を越えられなかった人が多かったのか?
それにしても、こんな過酷なグランフォンドを完走できたことはすばらしいことだ。
普段練習なんてほとんどしてないけれども、乗り続けていれば力はつくもんだなぁと実感させられた。


奈良県サイクリング協会のみなさま、ボランティアや婦人会の皆様、立哨のガードマンのみなさま、楽しい大会をありがとうございます。
来年の10回大会も楽しみにしていますのでよろしくお願いします。