パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

2012-13 関西シクロ 第8戦 希望ヶ丘 希望ヶ丘は希望になりにかし

いつかシングル着順に入りたいなぁなんて思いながら参加してきたシクロクロスですが今年はなんだか調子が良くてあれよあれよという間にシングル着の連発。
ここまで18-9-12-7-6-9となかなかええ感じにシングルが常態化してきつつある。おまけに丹波やくろんどでは走行中に2位や1位などを走る場面も出てきてちょっとだけ【俺って速くなってる?】なんて勘違いするような場面があったりなかったり。
こうなるとどんどん欲がでてくるもんで、【次は5位以内】とか【あわよくば表彰台】とか【優勝できちゃったりなんかしちゃったりして】などと妄想を膨らませたりもして、なかなかに楽しい。


そんな中、迎えた関西シクロクロス第8戦の希望ヶ丘。さて、どうなることやら。


前回の北神戸終わって1週間後の開催になるので、今回は調子を落とさないように平日も体を動かし続けることを心掛けた。
と言っても確保できる時間は30〜1時間だ。本当は毎日ローラーに乗るのが良いのだけれども、あいにくと今はリカンベントのメンテナンスの為にお店を広げている状態なのでローラーは不可。
外に走りに行くかと言われると30分〜1時間の為にジャージを着込んで…というのもおっくう。というか寒いし嫌だ。
そんなわけで、代替え手段としてはランニングを行った。開始するのが手軽だし短い時間でも満足感はある。シクロクロスだと足で走ることもあるしランニングも無駄ではないだろうと。
なぜかこの期間のランニングはすごくペースが良かった。
気分的な高揚はペースにも影響を及ぼすものなのか…?はたまた本当に調子が良いのか?謎だ。


レース前日。
今回は残念ながら三船先生のスクールはなし。自分でコースを走って勘所を見定めるしかないのが辛いところ。三船先生のポイントはなかなか自分では気が付きにくいコースの攻め方であったりするので本当にいつも助かってるんだけどな。
ほぼ出来上がりつつあるコースを眺める。コンディションはドライ。去年と同じような感じだ。私個人としてはもうちょっとヌタッっとしてくれた方が喜ばしいのだけどもねぇ…
コンディションが悪ければミス率が増えるわけで、私より脚があって速い人でも私がミスの発生率を減らせば脚の差を吸収出来るわけでチャンスが広がるのだよね。
シクロクロスなお友達に挨拶をして、コースを試走する。


ざっと走ってみた。あまりテクニカルな印象は受けない。まぁ動画にあるようにちょいちょいミスしてるところはあるけど安定して走れる。
路面はドライでグリップばっちりだし、きついコーナもない。後半のシングルトラックの登りを抜けてからの下り基調のジープロードからゴールまではガチ踏み放題だから、コーナリングなどで差をつけて先行しても脚の差で最後刺されるなんて展開もモヤモヤと想起されるなぁ…嗚呼、悪いイメージしかでてこないや。
それでも少しでも他人よりも優位に立つためにコースの気になるポイントを反復練習をする。
やっぱり今回は地脚ある方が有利な感じだな。ますます野望の達成は難しくなってきた気がする。


グランウンド前の階段から下りのシングルトラックまでの区間はちょっとテクニカル。
それぞれどうやってクリアしていくかを思案する。
中でも一番のポイントは動画3:50あたりからのドロップオフキャンバー区間、斜面上と下とでコース取りができるけども上だと太めの木の根あり。私のテクニックでは無理なので下を通る。
そしてコースどり、

まっすぐ走れば乗車のままクリアできる。(赤線)
しかし、青線で示すコースを進めばショートカットができる。ただ、私の足では乗車ではクリア不可であるため担ぎが必要だ。乗車のままクリアできるが距離が長いルートをとるか担がないといけないがショートカットできるルート。果たしてどちらが得策か?
両方の所要タイムを計ってみたら青線のショートカットルートのほうが2秒速い。
ここで2秒稼げるならこのルートしかないでしょ!っと作戦決定。
後々このコース取りが勝負の命運を分けたのだった。


あと注意すべき箇所はジープロード。これは緩やかなカーブを描いて下っている。ゴール手前にあわられて来るポイントなのでここは踏み倒すところだけどスピード出しすぎて前輪取られないように注意しないといけない。過去にMTBジープロードで転倒、鎖骨を折ったいやな記憶がよみがえってくる…

などなど、一つ一つ確認と練習していく。1時間ほども走って練習終了。


風呂上りにマッサージなどを念入りにしつつ早めに就寝。朝になるとまた路面コンディションが変わってるから早くに会場入りしてまた試走しなければ…
と床に入ったが、先日のブルべ試走で得た風邪が治っておらず痰が絡んで咳が出まくるせいで眠れない!!!!!
なんとかしてくれ〜


結局早くに就寝したもののちゃんと眠れず、おまけにまたしても寝坊。
といっても今回は20分程度なんだけど、30分ほどしかない朝の試走時間から考えると大打撃。
急いで準備して電車に飛び乗る。
会場は霜がびっしりおりてて一面の白世界。昨日よりも若干路面が緩んでるか?


今回も参加者多目なのでC3クラスは3つに分けられて今回はC3Cに振り分けられた。
速い人とあたらなければ良いのになぁ…
『5位以内が目標』と言いつつ心の中ではポディウムを狙っている。欲というのは際限がないものだ。
C3Aのレースを見る、大体先頭は1周7分で帰ってきてる感じ、これくらいで走れれば何とか先頭で勝負できるのか?っと続くC3B、これがめっちゃ速い!1周6分30秒くらいで帰ってきてる。なんだこの速さ!C1並じゃぁないか!こんなグループに振り分けられなくて良かった良かった。


そして私の出番。
前回のシード権を行使して最前列のスタートポジションを確保。
いつになくドキドキワクワクする。心なしか心拍数も高め(笑
号砲がなりレーススタート。
クリートキャッチには成功したものの、回りの選手のダッシュが速い。
ストレートを終えるころには大体9番手あたり。
コーナーを曲がって土管のある広間へ。コーナーごとに徐々に順位を上げていく。
グランドへ入り7番手、下りと上りのシングルトラックを越えてジープロードへ。
ジープロードで踏み踏みしてさらに選手を抜く。


2周目に入る。
あれ?もしかして俺って今4位?????
キタコレ!5位以内の順位!このままキープできればっ!行ける!
残り周回は3周、1位の選手は遥か彼方だが2位3位の選手はすぐそこだ。
いや、これってもしかするともしかするぞ?
ポディウムのチャーーーーンスじゃぁないか!!!
アドレナリンでまくって興奮しているが、妙に冷静に考えてる。
前の選手の走行状態をチェックする。ストレートと坂では負けるがコーナースピードは私の方が速そう。
後ろを見る、すぐ5〜10m後ろくらいに選手が数人居る。ワンミスで追いつかれる距離だ。
ここから先はミスしないようにかつ速く冷静に走っていかねばならない。


グランドからの登りかえしでミスして2位と3位の選手と離される。
2位はCRCの選手3位はシマノドリンキングの選手でその差は10mほど。
グランド超えて登ったところのドロップオフキャンバー、先行く2選手はまっすぐ進む。(前述の赤線ルート)
私は青線ルート。こで一気に差をつめる。やっぱりこのルートの方が速い!
3人パックのままシングルトラックを下り再び登っていく。抜きどころがない。
ジープロード、CRCシマノドリンキングの選手ともに踏んでる。
私もペダルを踏むが差が縮まらない!あせるが、ジープロードのカーブは苦手だ。無理してオーバースピードになってミスしては元も子もない。『あわてるな、慌てるなあと2周ある何とかなる』と自分に言い聞かせる。


3周目に入る。
CRCの選手が若干先行した。そろそろ私も勝負をかける!
グランドへの階段手前のストレートで踏む!シマノドリンキングの選手を捕まえ始める。
半身分追いついた所で左カーブ。シマノドリンキングの選手が右に膨らんだ。
私は彼の右側に居る!やばい!絡む!
とっさに『右!』と叫ぶもシクロクロスは前行く選手の方が偉いのだ。
若干の接触はあったものの何とか凌ぎきった。が、ブレーキを掛けてしまったためシマノドリンキングの選手より若干遅れてしまう。


グランドを超えて、森への段差が現れる。
自転車から飛び降り、段差を超えて、木の根が蔓延るキャンバーを走る。
っと、前行くシマノドリンキングの選手が停止する。何かトラブルか?
自転車を担いで走る、飛び乗る。前を見る。
CRCの選手が数秒前を走ってる。


あとは君との勝負だ!!!


CRCの選手に続いて4周目に入る。その差はほぼない。後続も居ない。
最後の周回は2人きりの勝負だ!
じりじりと行き詰る勝負。今までになく高揚した気分。最高に気持ちいい。アドレナリンがとめどなく出てる。それでいてなぜか冷静。


めっちゃ気持ち良いんですが〜!


ゴールのストレートを超えて土管のある広場へ。
CRCの選手の仲間が大きな声で応援してる。
『あせるな!確実にいけ!』『相手も疲れてるぞ、行ける!』
などなど、たくさんの仲間が居る模様。
なんだか俺が悪役みたいじゃないか〜などと心の中で突っ込みいれつつ、CRCの選手の後ろを走る。
私も疲労してきてるが、CRCの選手も疲れてきてる模様。
実力は伯仲していて、大きな差はない。さて、どこでアタックしたものか…


グランド前階段、お互いミスなし
グランドへの登りとグランド、ミスなし
グランドから森への段差とキャンバー、ミスなし


まずい、すでに残りコースは半分。シングルトラックも残ってるのでますます抜きどころがない。
最後のジープロード勝負か?でもシングルトラック入る前に前に出たい!
ドロップオフキャンバーに差し掛かる。
私は青のショートカットルート、CRCの選手は赤のストレートルート。
ここで勝負の分かれ目が出た!
ショートカットを通った私の方が速い!前に出る!


きた!これ!きた!!!!!!!!!
シングルトラックを下る、砂場コーナーもクリア、土管広場へ入る。
CRCの選手の応援団の悲鳴が聞こえる。
『諦めるな!まだ行ける!』
CRCの選手はすぐ後ろに居る!
しかし、ここまできて抜かれるわけにはいかんのだよ!ラスト1/4コース残るはシングルトラックの登りとジープロードの下りのみ!

フルパワー!リカンベントとブルベで鍛えたこの脚を見よ!
ふおおおおおおおおおおお!


びちゃびちゃと出まくってるアドレナリンに身を任せてリミッターを解除、最後のパワーを搾り出す。
シングルトラックの登りをノーミスでクリア!
ジープロード!!
下ハンを持って踏みまくる!!!!
いつもの恐怖感は消えた、アドレナリン万歳!
若干オーバースピード気味にコーナーを迎えるが何とかしのぎきる。
最後のコーナを曲がる。私への応援の声も聞こえている。あとはゴールへのストレートのみ!
後ろを振り向く余裕はない。出し切るのみ!
再び下ハンを持ってスプリント!!!!!!!


そのままゴーーーーーール!!!!!!


2/39位 29分26秒 順位%:4% 走行%:95% 4周回


やった!!!!!まさかの2位!やりきった!!!!

(↑ゴールのガッツポーズの瞬間)


そしてポディウム

インタビューではちゃんとリカンベントのアピールも(笑
http://d.hatena.ne.jp/kansai_cyclocross/20130114/1358123912


今まで何度か表彰台に上ったことはあるけども、参加人数が少なかったり(リカンベントクラスで5人とか)で棚ボタ的なものが主だった。しかし今回はきっちり実力で表彰台に登れたのでこんなに嬉しいことはない。
そして今回2位に入ったので、C3からC2へクラスアップ!次の堺から10分多くなって40分も走れるようになる。しんどいけど…


今年で3年目、ちょっとづつ速くなってようやくたどり着けた。
いつもリカンベントでブルベ走ってるだけなんだけどもそれでもちゃんと基礎的なところは速くなってるのだよね。つまり、リカンベントで走ってればアップライトな自転車も速くなるということが証明されたということだ。リカンベントは万能だなぁ(笑
しかし、2周目からの3人パックから最後のタイマン勝負はめちゃくちゃ楽しかった。
シクロクロス最高やね!!


今日の汚れ具合と2位になるともらえるシルバーワッペン


滋賀県野洲市 希望が丘文化公園
最寄駅:野洲駅
駅から:7km
電車:0621出発→730
屋根:あり ただし土管等
水道:なし、公園内の小川
気温:朝 度 昼 度