PBP2011 3.0日目 それはPCクローズという悪魔

第3日目　行程　
PC4　ルディアック(449km地点)〜サンニコラデュベルム(493km)〜PC5 カルエクス=プルゲ(525km)〜PC6 ブレスト(618km)〜PC7 カルエクス=プルゲ(703km地点)〜サンニコラデュベルム(493km)〜PC8 ルディアック(782km地点)

PC4　ルディアック(449km地点)〜サンニコラデュベルム(493km)〜PC5 カルエクス=プルゲ(525km)

4時間後

　むっしゅ、おきろ、じかんだ

の声ですっきり…と起きれるわけもなく、ウヴァ〜などと呪いの言葉を吐きながら起床。
眠い。

ルディアック到着時から降り出した雨はいまだに降ってるようで激しい雨音が聞こえてくる。
なんぎやな〜と思いながら寝袋を片付け、お湯を沸かす。
日本から持っていたお楽しみ補給食のカップラーメン、味噌汁、ほうじ茶を頂く。

かぁ〜うめぇえええええええ！生き返る。
でも、カップラーメンがミニだったのでちょいと食べたりず、レストランでさらに食うかとレストランに向かう。
そして時計を見る。

現在2時40分。
ふふーん時間の余裕はあるは…　はぁ？？？
ないない、時間の余裕ないよ！！！
つぎのサンニコラデュベルムはサービスポイントだから問題ないとしても、PC6 カルエクス=プルゲのクローズ時間は6時59分。
距離は76km、コースプロフィールはいつものアップダウン。
残り4時間10分で76km。回らない頭で計算する。76÷4=19km/h。
え？Ave19km/hでいかなまにあわへんの？？？？

私の過去のブルべ経験ではグロスAve19km/hはかなり元気な時にしか出ない速度。その速度を今、449km走って糞みたいに眠い状態で達成しろと？
と頭のなかでグルングルンと考える、いやいやどうする？

どうするもなにも、走るしかないじゃないかーーーーーーーー！！！！！！

とバイクに飛びのって走り出す。
カップラーメン喰ってる間に雨がやんでいたのがせめてもの救いか。

いつもの6割パワーのタガを外して8割パワーで踏み込み丘を登っていく。
前を走るロードをぐんぐん抜いていく。
リカンベントが登りでロードを抜くってのはよっぽどだよ…
残り800kmほどもあるのにここで8割パワーで走ると、後半の走りにかなり影響するんだけど、今クリアしないと先はないしそんなことも言ってられない。

そもそもなんでこんなことになったのか？
行動予定を組んだ時にここで4時間の休憩をとることにした、と思ってたら次のサンニコラで寝る予定になってた。
サンニコラまで進んでいればカルエクス=プルゲまでは32km。4時間ゆっくりしててもリフレッシュした体なら間に合うという計算。
それをルディアックで4時間寝た上にシャワーやらラーメンやらで合計6時間ほども滞在していたことになる。
シャワー＆食事ならおそらく+1時間ほどで済んだであろう。
でも今回さらに1時間加算されたのはなぜか？

かっぷらーめんのせいだ！！

PBPに行くにあたってたぶん日本の味が恋しくなるであろう、だったらカップラーメン食えばいいんじゃね？ネタ的にもおもろいし。
と思ったのが運のつき。
実際やってみたら、時間がかかるのなんの。
水を汲んできて、人目につかないところでストーブでお湯沸かして、ラーメン食う適当な場所を確保して、お湯を注いで、ラーメン食って、片付けて…
さらに、味噌汁のんでほうじ茶飲んで…
って、あんた！時間かかりすぎ！あほか！！

いまだかつてない計算ミス＆ネタ自爆によるDNFの危機。やばい！これやばい！

相変わらずのアップダウンコース。日中ならリカンベントの走行特性から登りは凌いで下りで稼ぐスタイル。
しかし、まだ夜は明けずあたりは真っ暗。さらに雨上がりで霧が出ている。
下りで飛ばすには安全性が確保されていない。
下りで飛ばせないリカンベントはまな板に上がった鯉だよとぶつぶつ言いながら登っていく。

すると聞こえてきた日本語。

　おや、たけさん。

あ、キャノさんだ。
時間やばいんですよ、と説明しつつ追い抜いて行く。
くっ…時間があればこんな深夜の走行、一緒に行きたいとこだが…

そして更なる苦難が押し寄せる。
どうも、タンティニアックを過ぎてから胃がムカムカしだしてる。
そこへ今の8割走の負荷がかかってるので、ムカムカがさらに強化された。
たまらず途中でとまってムコスタを服用するも、あまり効果はなかった。

Edge800で到着予想時刻を表示させ、その時刻とにらめっこしつつ走る。
無理か間に合わないか、やめるか？ここまで来て？
リカンベントまで持ちこんでココでタイムアウトになる？んなことあってはならない！
でも…Ave19km/hって無理やん！　
と、弱い自分の心と戦いつつペダルを踏む。

そしてそして、更なる苦難がやってきた。
眠い！！！！！！
そう、夜間走行するとどうしても眠くなるのだ。
眠いが今は1分が惜しい状況、スポット仮眠すらできない。
黙って走ってると眠気がくるので、ロードを追い抜く時に「アレアレ」などと一方的に声掛けて自分の目を覚ましつつ走る。

サービスポイントのサンニコラデュベルムが出てきた。
立ち寄ってる暇はないので、「のーこんとろーる？」と普段なら尋ねもしないことを大声で訪ね目を覚ましつつ先を急ぐ。

残り16kmを切ってからは下り基調。
これがまた、眠い。
下りで自爆してもシャレにならないので注意しつつ下る。

■23日　6:45　PC5 カルエクス=プルゲ　525km　37時間14分経過

PC5 カルエクス=プルゲ　クローズ時間は6:59。
ぎりぎりまにあった〜〜

(3.2日目へ苦難はつづく）