パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

ブルベ等のロングライドにおけるリカンベントタイプ別インプレ

先日ロングホイールベースLWB)のリカンベントでのブルベデビューを済ませて、パフォーマンス系リカンベントのほぼ全タイプでロングライド走行を体験した。
ロングライドにおける個人的な印象を記してみたい。
これからリカンベントでロングライドを楽しみたい人は参考にしてみてほしい。
なお、あくまでも個人的な印象であるため万人に当てはまるものではないのであしからずご了承いただきたい。
ちなみに私の個人的嗜好は『速く、遠く、楽に』である。


使用したバイクは以下の通り。なお、比較対象としてロードバイクも入れてみた。

  • ローレーサ(以下ロー)

Optima社 Baron

  • ハイレーサー(以下ハイ)

Rans社 F5 Pro

  • LWB(以下LWB)車高からはミッドレーサに分類される。

Rans社 XStream

  • トライク

ICE社 Vortex

  • ロード

Anchor RNC7


*1

                                                                              • -
  • 平坦路

ロー > LWB > ハイ >ロード > トライク

平坦路においてはローレーサのローが圧倒的に速い。
前面投影面積の小ささにおいて非常に優れているためだ。
平坦ならば確実にロードよりも速い。トライクも車高低めで前面投影面積は小さ目だが、車輪が3つあるため路面抵抗が大き目なのと車重が影響しているものと思われる。

  • 登坂路

ロード > ハイ > LWB > ロー > トライク

一般的な登坂ならばロードが速い。理由としてはリカンベントだとダンシングが使えないため筋肉の使い分けができないこと、脚自体の重さ(足1本辺り7〜10kgほどあるはず)が使えないこと、車重が2〜3kgほど重いことがあげられる。
しかしながら、へばって上半身が使えない状態になったならばロードとハイレーサはほぼ同じ速度となる。
上半身がへろへろになった場合かなり速度が低下するが、リカンベントは上半身は常にシートによってホールドされているためポジションの違いによる差が埋められるものと思われる。

  • 向かい風

ロー > LWB > トライク > ハイ > ロード

向かい風に当たっては前面投影面積が小さいほうが有利。
Baronに関してはかなりの割合で向かい風は無視できる。

  • ストップ&ゴー

ロード > LWB > ロー > トライク > ハイ

リカンベントは加速が苦手であるため、街中のストップ&ゴーには弱い。
ロードとの差はダンシングが使えるかどうかが大きな違いとなっている。

  • アップダウン

ロード > ハイ > LWB > ロー > トライク

ロードだとダンシング一発で越えられるような丘もリカンベントだと自分の脚の筋肉で超えていく必要があるためアップダウンコースは苦手としている。

  • 激坂(20%以上)

トライク >> ハイ > LWB > ロー > ロード

激坂となると3輪のトライクの絶対的安定性が光る。どんな斜度の登りであっても速度低下により転倒することが無いので登って行ける。また、パーキングブレーキを掛ければ登坂途中に休憩も可能。
その他リカンベントは一般的にトリプルギアを装備しており、ロードではギアが足りなくな踏めない登りで合っても無理なくペダルを漕ぐことが可能。

  • 乗り心地

LWB > ハイ > ロー > ロード > トライク

LWBのロングホイールベースによる衝撃吸収とハンモックシートによりLWBが非常に快適。

ロード >> ロー、ハイ、LWB > トライク

リカンベントは長いくて重くロードのようにコンパクトにパッキングができないですからね…

  • 乗車ダメージ

ロー、ハイ、LWB、トライク >> ロード

ロードで一般的に発生する手、肩、首、腰、尻の痛みはリカンベントにおいては発生せず。
ストレスフリーなライディングが約束されている。
唯一のダメージは長時間シートに寝転んでいることによる背中の蒸れからのあせも。
また、上半身は常にリラックスしており筋力を使用しないため、消費エネルギーがロードと比べて少な目。
そのため、とても燃費が良い。


  • 総合(『速さ』『楽さ』重視)

バロン > LWB = ハイ > ロード > トライク

以上のことから総合的にローが鉄板。平坦の速さが登坂の遅さを補って余りある魅力がある。
楽に最も速く走ることができると思われるが、難点は車高の低さからガードレールなどに阻まれ景色が楽しめない場合があること。

次点が LWBとハイで同位。平坦能力には欠けるが、車高の高さよるアイポイントの高さと快適な乗り心地が素晴らしい。

3位はロード。やっぱり乗車ダメージの高さがつらい…

最下位はトライクだが、トライクには2輪にはない『乗車したまま休憩』ができるユニークな能力がある。
そもそも2輪と比較するのが間違いなのかもしれない。


以上もしもリカンベントをブルベなどのロングライドに活用しようと思う方は参考にしてほしい。
まぁ、そんな奇特な人はいないか…

*1:※2輪のリカンベントは車高によってハイレーサ、ミッドレーサ、ローレーサの3種に大きく分類される。 それぞれ装着できるホイールの大きさが異なり、走行感が異なる。