パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

BRM111 京都200 怪我から復帰のリカンベント乗り

前回のブルベ出走はいつだったか?
思い返せば2013年のBRM113高松の試走だ、それ以来の2年ぶりとなるブルベの復帰戦。
怪我をしてベットから起きだすこともできず、車いすに乗ればまっすぐ走れず、ひとたび座り込めば己の力では立ち上がれず…
もはや自転車に乗ることは叶わず。

と、絶望したこともあるけど幸いにも脳挫傷、頭蓋骨骨折、頸椎損傷という大怪我のくくりの中では軽傷で何とか100kmまでは走れるようになった。
『自走距離二倍拳』の理論に当てはめると100km走れるならば潜在的に200kmを走る力があるはず!
しらんけど。


ひとまず自分の今のレベルを確認するためにもブルベに挑戦することにしたのだ。


コース
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=8bf2c4e48653047691c4954458a3aa62

コース説明

毎年湖東の爆風に翻弄されながら黄昏の湖畔をかけていた京都200km
誰が言い出したのか、逆回りにしたら追い風で楽勝のコースになるのではないか?
果たしてそうカンタンにいくのでしょうか……
逆回しなので久御山から最初に大津に向かい、名人戦・クイーン戦が行われたばかりの近江神宮
比叡山のお膝元 坂本から琵琶湖大橋をわたって安土城へ向かいます。
アセボ峠を越えて信楽に到達すると、いつもの和束への道を逆に下っていきます。
和束川を下りきると恭仁京平城京の跡地を抜けて、生駒から京田辺の秘境を繋いで久御山へ。
南近江から山城、大和へと失われた宮殿、朽ちた城、壊れた夢の足跡を繋ぐ旅となります。


今回使用するバイクは当然リカンベントのハイレーサー。
今まではローレーサーを主に使用していたが今回は完走ができるかも分からないので輪行で撤収しやすくて車からの視認性が高く安全性の高いハイレーサーをチョイスしたのだ。

服装はフグジャケット装備の厳寒仕様だったのだけどこれがあとあと私を苦しめることになるのであったのだけどね。

久御山がスタート地点で6時半のブリーフィングに間に合うよう朝5時に自宅を出発。
約30kmを走っていく。
大阪を走ってる時はさほど寒くはなかったが、京都に入ってから気温が一段下がって冷え込みがきつくなった。


■スタート〜PC1 48.6km 大津
2年ぶりのスタート地点。

なじみの人たちとの談笑をしつつ、主催のK野さんを待つ。
なんと珍しいことに遅刻だそうな。
私の参加していない2年間の間にリカンベントランドヌールが増えたかどうか尋ねてみたが、増えてないとのこと…
うーーん、なぜリカンベント乗りが増えないのか。福岡にはあんなに増えてるのにな、悔しいっ
私に会長のような人徳がないのがダメなのかw

スタートの準備をしていると、背後から聞いたことのある声が聞こえてきた。
振り返ると、まんま亭のまんまママさんだ。
今年からブルベにチャレンジされるとのことらしい。そういえば先日も東京まで自走していたものね。これはまた楽しいブルベ仲間が増えるね。

まさのブルベカードなしでスタートか?とも思われたが無事にK野さんが到着。楽しいブリーフィングを終えて順次車検を受けてスタート。
久しぶりだわ、この空気感。


スタートして大津へ向かっていくわけだけど、なかなかルート指定が細かい。
数百m〜1km単位でルート指示が入ってる。
コースミスしたら時間がもったいないのでゆっくり確実に走っていく。
10kmちょっと走ったところで1つ目の峠、長坂峠へ突入。
これがもう序盤に持ってくるべきじゃないだろうというくらいの傾斜のきつさ。
斜度10%は平気で出てくるし、噂では最大18%くらいあったとかなかったとか。
車に邪魔されて足つきしたけどもそれでも何とか峠を制覇。
しかし、序盤からいきなり足を削られていきなりヘロヘロになる。

クイズポイントの石山寺を通過。

PC1手前に近江神社があるので参拝して行こうかとも思ったが、今の私には寄り道している余裕はないので真面目に走る。
道中、まんまママさんをお見かけするも自分の世話で手いっぱいで人のペースに合わせる余力はまだ私にはないので声かけだけにとどめて走っていく。


PC1 到着時間 09:49 タイム 02:49 距離 48.4km Ave 17.1km/h



■PC1大津〜PC2信長の館 84.8km
PC1でカレーを食べて出発するとすぐに、8時出発の三船さんに追い抜かれた。
三船さんはあれよあれよという間に見えなくなってしまった。

大津からは琵琶湖大橋を渡って守山を経由して安土城方面へ向かっていく。
湖東のさざなみ街道にはいると信号がなく追い風で快適に走れる道に出る。
リカンベントにとっては走りがいのある道で気分よく快走できたのだった。

PC2 到着時間 11:36 タイム 01:26 距離 36.62km Ave 25.5km/h


■PC2信長の館〜PC3信楽 127.2km
PC2から先は私の最高走行距離の100kmを超える距離になる。
今の体では未知のゾーンだ。
一体どうなることだろうか。泡吹いて倒れるか、はたまたひきつけ起こして倒れるか…?

PC2からは進行方向が南西に変わったのだけど、向かい風。
PC2までは追い風だったものが向かい風。
強烈な向かい風。
まーーーーーーたく、前に進まない。スピードが出ない。
風に強いはずのリカンベントがだよ、22kmph出すのがやっとなのだ。
なんだこりゃ。
(さざなみ街道で飛ばし過ぎて脚を使いすぎたのは秘密だ)


向かい風でスピード出ないのはまだ良い。一番の問題は体が温まることがなく冷えまくることだ。
向かい風と体温低下の2重苦で容赦なく体力が削られていく。
なんだか目の焦点が合わなくなってきたので、エネルギーを補給することに。
温かい店内で温かくて滋養のある天下一品を頂く。

旨い、体が温まる。生き返ったっ!
やはり寒い時には温かいものを体に入れないとダメだね。


風に吹かれまくってヘロヘロになった所に後半の山場、アセボ峠が現れる。
標高475mまで登る。普段ならさほど辛くはない傾斜だろうけどもフラフラになったこの状態ではシンドイ!
えっちらおっちら何とか峠を乗り越えて信楽へ入っていく。


PC3 到着時間 14:52 タイム 03:04 距離 42.51km Ave 13.8km/h


そういえば、このコースの説明にこんなくだりがあったな…

毎年湖東の爆風に翻弄されながら黄昏の湖畔をかけていた京都200km
誰が言い出したのか、逆回りにしたら追い風で楽勝のコースになるのではないか?
果たしてそうカンタンにいくのでしょうか……


あー、ソウデスネ。カンタンにいきませんでしたよ。
ありがとうございます。さすがK野さんのコースは一味違うなぁ…
あーしんど。アベレージ13.8kmってどんだけ遅いのよ。


■PC3信楽〜PC4奈良 174.0km
信楽から和束へ抜ける長い下り。
下りのはずなのだけど向かい風のせいで全くスピードが出ない。
ペダル漕がないと止まってしまうくらい。下りなのに!下りなのに!なんてっこったい!!!

向かい風とアセボ峠のおかげで脚はヘロヘロになってるし、さらに悪いことに眠気が出てきた。
走ってる途中に眠くなるというのは疲労が私の許容値を超えてしまったということだ。
疲労の眠気はタチがわるくてガム噛んだり、カフェイン接種したりしても解消されない。
これを解消するには眠るしかないのだ。
春や夏ブルベだとちょっと横になれる場所を探して仮眠をとるのだけど。
え?この暴風吹き荒れるこの寒空の中?眠る?
いやいやいや、無理でしょう。

っと思ったのだけど案外眠れるものね。
10分のスポット仮眠を済ませて出発。

奈良へ入ると空がどんどん暗くなっていって雨が降り出した。
暴風に寒さに加え雨ですか。
なんともまぁ、コンディションの悪い…
おまけに時間的にあたりは真っ暗になっているし、奈良エリアの道は狭いうえに車が多くて結構なスピードで走ってくる。
おいおい、この狭い道をこの暗さ、この雨で視界悪い中突っ込んでくるのか?
こわいやん、あほやん。

PC4 到着時間 17:39 タイム 02:19 距離 47.17km Ave 20.3km/h


■PC4奈良〜Arrive久御山 205km

PC4を超えて最後の峠、といっても標高202mのちょっとした峠を登っていく。
脚には力が入らずインナーローで軽いギアしか踏めない。
怪我をして以降、体幹の筋肉はキチンと働いておらずゆるゆるの状態だ。
そんなわけで体幹が重要な役割をになうロードバイクなどは乗るのが少しシンドイ。
リカンベントなら上半身はシートに身を任せてるので体幹はほぼ必要ない。
ほぼ必要ないのだけど、パワーが必要な時などはペダリングをした脚の反力を抑える必要があるのでロードほどではないけれども少しばかり体幹の筋肉は必要になってくるのだ。
脚の反力を抑えれないのでパワーが出ない、パワーが出ないということは登りが遅いということだ。
平坦などはパワーではなく脚の回転でスピードを稼ぐので体幹の衰えの影響はあまり出てこないのだけど、登坂は覿面に遅くなるのだ。
もっと体幹を使えるようにならないとダメだな〜などと考えつつ、ようやくゴール。
辛かった。

Arrive 到着時間 19:54 タイム 02:02 距離 30.48km Ave 15.0km/h


■結果
PC1  到着時間 09:49 タイム 02:49 距離 48.4km Ave 17.1km/h
PC2  到着時間 11:36 タイム 01:26 距離 36.62km Ave 25.5km/h
PC3  到着時間 14:52 タイム 03:04 距離 42.51km Ave 13.8km/h
PC4  到着時間 17:39 タイム 02:19 距離 47.17km Ave 20.3km/h
Arrive 到着時間 19:54 タイム 02:02 距離 30.48km Ave 15.0km/h
Total  タイム 12:54 距離205.36km Ave 15.9km/h


ブルベの制限時間は15km/hで計算されてるから、今回は結構危ないところだったな…
走り終わってあまりの疲労に「ブルベなんてもう走りたくない」なんて思ったり。
昔は200kmなんて鼻歌まじりで走っていたのに、なんだこの疲労感は。
こんなに200kmはシンドイものだったのか。
400kmとか600kmとかこの疲労感を2回、3回やるわけ?考えられないよ。
この日記を書いてる時点でブルベから3日経過しているわけだけど、いまだ体に疲労が残っていたり。
この200kmが楽に走れたら、あわよくば今年SRとか考えちゃったりしてたけどちょっと今の体力では無理だな〜

リカンベントにおいても体幹の大事さを痛感した。
全体的に体力も足りないし色々と筋肉鍛えて体力を蓄えないといけないね。トレーニングとか嫌いだけどさ。


まぁ、それでも今回の走行で自己最長距離の100kmを大幅に更新して200kmを達成。
いや、行きかえりの自走も含めれば260kmか。あとちょっとで300kmやね。
『自走距離二倍拳』理論を当てはめると潜在的に520kmは走れる力があるわけだ。
いやいや、まさか。

ブルベはたのしいね。またよろしくお願いいたします。


距離: 205.36 km
タイム: 12:54:35
平均スピード: 15.9 km/h
平均移動速度: 20.6 km/h
最高スピード: 60.1 km/h
高度上昇量: 1,881 m

カロリー: 6,866 C
平均気温: 6.2 °C
最低気温: 0.0 °C
最高気温: 17.0 °C



追記:走り終わったら感動で涙でもこみ上げてくるかな?と思ってたけど疲れ果ててそれどころではなかったわな。