パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

PBPで注意すべき10の事柄

PBPそれはParis Brest Paris。
4年に一度開催されるフランスはパリからブレストへ行きパスまで戻る1200kmのブルベの最高峰。
ACP、RM認定のBRMを走るランドヌールならば誰もが一度は憧れる超距離ブルベ。
PBPに参加し、走ることは人並み外れた体力と精神力と休みが取れる仕事力と旅費を捻出できる小遣い力とフランスまで遊びに行くことを許してくれる家族力が必要だ。
これを5つの力と言います。
とーーーーーーーーーーってもハードルが高いんですよね。

オダックスジャパンの第18回パリ〜ブレスト〜パリ・ランドヌール (PBP)ページ
ACPによるPBP公式ページ

そんなPBPが今年2015年8月に開始されプレ登録が始まってにわかにランドヌールたちがPBPめいてきた今日この頃。
PBPに参加できる人が羨ましいね。私も本当だったら前回の5分の借りを返しに行くはずだったのにねぇ。
私は参加できないけど前回のPBPで感じた注意すべき点をまとめてみようと思う。


PBPを見事走り切った私の愛するリカンベント Optima Baron


今年初めて参戦の人もいるだろうから何かの参考になると良いよね。


1・観光には自転車持っていくべからず
PBPの開催地はフランス。
海外は何かと盗難事件が多いもの。
PBPなんて世界中から自転車乗りが集まるイベントがあると、自転車を狙っての盗難も当然発生するものだ。
実際2011年の時は前日に自転車を盗られPBPを走れなかった人もいた。
日本と同じような「鍵かけて地球ロックしていれば大丈夫」なんて感覚でいると痛い目を見るかもね。
自転車のって観光に行くなら自転車のそばを離れない!


2・飯は確保しろ
コースの道中街から街の間の50キロから100キロほど何もお店がないなんていうのはざら。
日本のように街から街の間が数キロそこらじゅうにお店があるなんてことはないので、うっかり街で補給を忘れてしまうと大変な目に合ってしまう。
昼間だと沿道の応援の人からなにがしかの食べ物を得られることもあるけど、夜だと難しい。
だから100km位は走れるくらいの補給食と水は常備しておいた方が無難。
私はフランスパンさして走ってました。



3・コントロールの食堂は混んでるかもね
各PCでは食事ができる。
これがなかなかしっかりとした食事ができるので食事はPCだけででもまかなえてしまうほど。

ぶよぶよとして味のついていないパスタ。これはレストランでは味わえないフランスの味!!
私はとても感動しました。
ただ、PCにはみんな集まるのでどうしても食堂は混みあってしまっていることもある。
異国の地のブルベだからなるべくタイムロスは避けたいし、並んでる暇があるなら休息や仮眠をとりたくなったりもするだろう。
そんな時はPCによってはサンドイッチの屋台が出てることがある。
屋台の前に立って「さんどうぃっしゅ じゃんぼん しるぶぷれ」と言えば日本では味わえない極上のサンドイッチを食べることが出来るであろう。
サンドイッチを食べることなくしてPBPを語ることなかれ


4・水に気を付けろ
フランスは水道水を飲むことが出来る。
私は前回水の補給は水道水に頼ったのだけど、やはり水質が違うせいか後半気分が悪くなって水を飲むことが出来なくなってしまった。
ミネラルウォーターで補給すれば避けられた事態かもしれないけどどうなんだろね。
で、水が飲めないのは自転車乗りにとって致命的。
だけど胸がむかむかして水は飲めないけどなんとコーラは美味しく飲めてしまった。
そのため私はブレストからの復路の600kmは1.5Lのコーラを搭載して走る羽目になったのだ。
炭酸が入ってると飲みやすいんだろうね。


5・夜は寒いぞ
夏とはいえ日本とフランスでは湿度が段違い。
湿度が低くて乾燥しているフランスの夜は寒いのだ。
昼が暑いからといって防寒を忘れると夜に痛い目をみることになってしまうだろう。
温かい肌着や裏起毛ジャージなどがあると安心だ。
更に夜に雨が降ってくると極寒らしい。2007年のPBPでは雨の寒さで多くの猛者がやられてしまったと聞いている。


6・尾灯の予備は持っていけ
レギュレーションでは尾灯は必須。
これが壊れて点灯しないものならば、もう走ることは許されない。
尾灯を復旧させるまで走ってはいけないのだ。
いかに日本メーカのキャットアイの尾灯といえど日本からはるばる輸送されてくるとやはり何かの不調をきたすことはあるもの。
尾灯は余剰につけておくに越したことは無い。
また、夜は本当に街灯も何もないところを延々と走るため車から発見されやすいように明るい尾灯をつけておいたほうが命を守りやすいだろう。
実際、前回のPBPでもトラックに轢かれて亡くなったランドヌールもいましたし。
そもそも毎回命を落とす方がいらっしゃるのがPBPのエクストリーム加減を表している。


7・電池は空港で喰われる
日本から性能の良い乾電池をたくさん持ち込む。
夜を快適に走るには必要なことだけど、残念ながら空港で没収されるケースがままあるようだ。
実際一緒のツアーで行った人が全部没収されてたし…
日本製の電池欲しいんだろうなぁ。


8・時差ボケこわい
時差ボケで道中は今まで経験したことのない眠気に襲われる。
できれば時差ボケを慣らすためにPBP開催よりも3日は前にフランス入りしているのが望ましいだろう。
1200kmの間延々と延々と遅いくる眠けの恐ろしさ。仮眠しても時差ボケの眠けは取れないんだなぁ…


9・私は日本人である
私は前回日の丸の旗を掲げて走ったのだけど、道中その旗をみてだろうか
「じゃぽね?」となんどか声をかけられた。
「とおく じゃぽねから きたのか たいへんだな よくきた たのしいんで はしっていけ」
と暖かい言葉を頂いたりしたのだ。
また道中のランドヌールとも国が分かれば話もしやすいし、日本人であると分かるようにしていると何かと楽しいこともあるかもね。
あと、私設エイドをしてくれている人たちに日本のお土産をあげると喜ばれる。
私はフランスのかわいこちゃんたちに虎屋の一口羊羹を配ってまわったのだった。


10・ムッシュおきろは信用するな
PCによっては仮眠所としてベッドの提供がある。
数ユーロをはらって利用できるのだけど、利用の際に「何時に起こせばよいのか?」と尋ねられる。
なんと、指定した時間にお越しに来てくれるのだ。
なんと素晴らしいホスピタリティ。
時間になるとフランス紳士が「ムッシュおきろ おきろ じかんだ おきろ」とおこしに来てくれる。
素晴らしい。
ただ、時間が正確だということはないのだけど。


以上何かの参考になれば幸いです。


2011年のPBPはたくさんの日本人が参加していてたくさんブログが書かれているので検索してみると色々と参考になることがあるだろうね。
私も稚拙ながらブログを書いたりしてるのでご参考まで。

PBP2011ルート全体図
PBPに持っていくものリスト
PBP2011 0日目 そこは異国の地
PBP2011 1日目 私はリカンベントでPBPにチャレンジするのだ。
PBP2011 1.5日目 私はリカンベントでPBPにチャレンジしているのだ。
PBP2011 1.7日目 PBPの長い1日目の終わり。
PBP2011 2.0日目 素晴らしきかなフランス
PBP2011 2.5日目 睡魔の襲う昼下がり
PBP2011 3.0日目 それはPCクローズという悪魔
PBP2011 3.2日目 貞操の危機
PBP2011 3.5日目 半分過ぎたらもう…
PBP2011 4.0日目 再びのルディアックでラーメンを
PBP2011 4.5日目 それはとても心から美味しいクレープだなって
PBP2011 5.0日目 パリまであとなんコギ?
PBP2011 エピローグ 遥かなるシャンゼリゼを目指して
PBP2011 残滓 装備とダメージ
PBP2011 残滓 インターバル撮影 後編
PBP2011 エピローグ2 旅は道連れ世は情け