パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

PBP2011 1.5日目 私はリカンベントでPBPにチャレンジしているのだ。

第1日目 行程 
サンカンタン〜モンターニュオーベルシュ(140km)〜PC1 ヴィレンヌ=ラ=ジュエル(221km地点)

ようやくスタートラインに並んだ。
日差しはきつい。暑い、これは暑いぞ!もう17時なのにマダマダ太陽は元気だ。


しかしそれにしても、まさか私がPBPのスタートラインに立つことがあるとは思わなかった。
ブルベ始めたころは1200kmなんて変態の極致で走るなんて考えられなかったし、400km走るので精一杯だった。
でもそれが、あれよあれよという間に600をクリアし、1000をクリアし、去年はPBPよりも長いさんいん1300をクリアしてしまった。
人間その気になればできるもんだなぁ〜と感慨深くスタートのゲートを眺める。


スタート時間が近づくにつれ、盛り上がるMCと観客


う〜ら う〜ら とウェーブが発生し近づくスタート時刻っ!
スタートしてしまえばゴールまで最大90時間は走り続けなければならない。
こんなまったりした状態はもう得られない。
長い長い苦しみと楽しみの時間の始まりだ。
今までブルベを走る上でこんなにナーバスになったことは無かったが、やはり異国の地を走るのに不安を感じてるのだろう。


まぁ、良いさ。ペダルさえ回せばいつかゴールにたどり着けるさ!


そして、とうとう鳴った、スタートの号砲。
私のPBPの戦いが今始まる!!!
これからは自分の弱さと大自然との戦いだ!
でも大丈夫。同じ道には5000人からの目的を同じくするランドヌールが居るし、JAPANには私を応援してくれる人もいる!
いざいざ勝負!PBP!



スタート後はすごいスピードで皆走っていくと聞いていたが、スペシャルバイクグループはそんなことも無くって、34km/hほどで巡航。


やや前方に見えるのはチームBacchettaの隊列。
おぉ、これは格好良い写真に収めるべ!と近寄ろうとするもジリジリと離されていく。
うはっ速い!
まぁ〜たく追いつけません、さようなら〜


まぁ、今回の私のバイクは重ブルベ装備で25kgほどもあるし、あちらは空荷に近いからね。と言い訳しつつ自分のペースで走る。


それにしても、沿道の観客の多いこと多いこと。
レースでも何でもないのに、この人の多さ。すごいなぁ〜と思ったが、フランスの自転車文化の深さを思い知るのにはマダマダ序の口であった。


市街地を抜けるとそこは長閑な丘陵地帯。
景色はなんだか北海道に良く似ている。
そらが、とても広い。


コースはもうプロフィール通りの丘陵地帯のアップダウンの連続。
でも、登りも下りもドストレートで登りの斜度も長さもそんなに大きくない。
リカンベントだと下りで勢いつけて登り返しは勢いに任せてクリアできる。こんな楽しいコースは走ったことが無い。本当にリカンベント向きの土地だ。
気分よく飛ばしてると下りの途中で後方から大きな風切音が。
はて?車かと思い、右に寄せるとストリームライナーが信じられない速さでかっとんで行った。
いやいや、俺63km/hくらいは出てるんだけど、それを軽くぶっちぎるってどんな速さよ!!!!!
下りに強いローレーサでまさかぶっちぎられるとは思わなかった。
あれだけスピード出ていれば登り返しも楽々、あっという間に見えなくなった。
欲しいなぁ…ストリームライナー。山の多い日本だと楽しくなさそうだけど。




しかし、暑い。

丘陵地帯だから日光をさえぎるものは無く、直射日光に焼かれまくり。
こんなときは肌を日光から隠すことが体力温存の第一歩だけど…手も足もむき出し。
水のむべ、と手を伸ばすがボトルが1本ない!
うわわわ、市街地の石畳の振動で落としたか?そういえば、走ってる途中何かが落ちる音がしたが…
嗚呼、大事な'07梅丹ボトルが… まぁ、主戦場のフランスに還ったと思えば;;


残りは1本と言いたい所だけど、見知らぬ土地のため念のため搭載していたハイドレーションパック1.5L。積んどいて良かった。この暑さじゃ500ml1本だと足りんよ。


40kmほど走行。暑い、コーラ飲みたい、何か食べたい。おなかすいてきた。
あ、反対車線にスーパがある!
んーー通り過ぎてしまった。
まぁ、次があるでしょうよ。と思ったのが不味かった。
市街地を出たら延々と丘陵地帯。
店なんてありゃしない。そして削られる体力、減りまくる腹。飲みたいコーラ…
そういえば、アメリカ人ライダーが1.5Lのコーラを搭載してたよな。
なるほど、日本と違ってそこらでジュースを補給するなんてことはできないもんね。


それでも我慢して走ったがとうとう75km地点で目が回り始めた(笑
停止して秘蔵の虎屋の羊羹をいただく。
うううーーーーーーーーうまい!!!!
力がっ! みっ なっ ぎっ てっ くるーーーーーーーーーーー!


時刻は21時ごろ、ようやく辺りが暗く始めた。
フランスの夜は長い。21時ごろまではライトなしでも走れるくらいに明るい。
エネルギーを補給し再び走り始めるが、水が底をつき始めてきた。


どこか水を補給できるところは無いか… うわあああどこにも無いぞ?
といってる間に水が尽きた。
落としたボトルがあれば、こんなことには…


通りかかる街、水を持ってる人は見当たらない、店もしまってるし見当たらない。
そして100kmを超えてようやく見つけた、水を配ってるお宅!!!!
『水ってフランス語でなんていったっけ?あわわわ、知らんわ!!』と頭の中でぐるぐる考えつつ、ボトルを差し出して しるぶぷれ!!!
にっこり笑って水を入れてくれる可憐なフランス少女。
嗚呼、良いなぁ〜

めるしーぼくー とお礼を言い颯爽と走り出す。
 ぼんぼやーじ と送り出してる声。 ふわわ、ええわぁええわぁ、フランスええわぁ。

などと悦に入りつつ、ようやくゲットした水を飲みながら140km地点モンターニュオーベルシュを目指す。


1日目は、まだ終わらない。(つづく)