パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

BRM113 高松400試走 しまなみ海道は寒さに震える

年が明けて新年。
巳年の初乗りとなるブルベの試走に行ってきました。
距離は400km。一昼夜を走り続ける必要があるが折からの寒波で気温は低め。12月はロングは走ってないし、果たして無事に走ることができるのだろうか?


今回使用するバイクは当然リカンベント。BaccehttaのTiAero。

昨年の九頭竜600の試走でデビューさせたイカスやつ。650cのホイールが踏みが軽くて今までの700cのリカンベントと違って加速がキュンキュンっといけるのでストップ&ゴーの市街地でもネガティブは無い。巡航もブルベで使用する速度域ならば何ら700cと遜色がない。
今まで700cこそ正義!と思い続けてきたが今は650cこそが正義ではないのかと思い始めている。
そもそも、よく考えると欧米メーカのハイレーサーを見回すと少し前までは26インチであったり650cであったりが殆どで700cのモデルなんて少しだけだった。
『なんで700cが無いのよ!』と思ってたりしたのだが、やはりメーカが26インチや650cを採用している理由がちゃんとあったのだなぁと思い知る。
このあたりはBentRiderOnlineを調べたら色々情報がでてきそうだけど、いかんせん英語がわからないのでね…
最近とてもラブリーな650cだけど、ホイールやタイヤの選択肢があまりないのが難点。
パナレーサーさんお願いですからツアラーの650c版出してもらえませんかね?


今回の試走にあたっていくつか試みを施した。
1.寒さ対策にハンドルカバー装着

真冬に走るとどうしても指先が冷えてくる。分厚いグローブを装着すれば対策できるのだけど、手に汗かいてしまって、グローブのインナーがしっとりとしてしまい余計に冷えたり、指が太くなるからサイコンとかの操作性が落ちたりとネガティブも出てくる。
主に風が当たって冷えるのだから、カバーしてしまえば暖かいのじゃね?っということで軽快車用のカバーを購入。内側はボアで暖か。このカバーのおかげで今回の走行は秋用のグローブで問題なかった。
これをさらに発展させて防水性をもたせたら雨でも平気な装備になるんじゃないの?っとなかなか発展性のある装備だ。おまけにブレーキレバーやらシフトレバーや拳など空気の流れを乱すものをカバーするのできっと空理気的にもご利益があるはずっ!…しらんけど。
こんな装備も使えるリカベントって良いよね。ロードじゃこうはいかないもんね〜
ただ、難点は見た目がもっさり?したこと。ちょっとこれは何か対策を考えてみようかな?


2.走行方針はタイムアタック
昨年の夏にすでに同コースを走っているので、今回はタイムアタック的に走ってみようかと。
ランドヌールVol2で紹介されていた某速い人のようにPCでの滞在も最小限にして食べ物も走りながら食べる。寒いし停車時間は最小限にして走ってみよう。コースは大きい峠もないので自己記録を更新できるかも。もしかして夢の20時間切なんてできたり…などと目論んでたが。


3.FANDYFIRE UV-S5を投入

昨年入手していた3000LMのあほみたいに明るいライト。
ハイモードで照射すると光害レベルの代物です。
ただ、サイズが大きくて重い(500g)ので良い装着方法が思い浮かばず放置していたアイテム。
ハブダイナモを使用しない場合の主力ライトとして使いたいので、今回初実戦投入。
3000LMのハイモードだと80分程度しか持たないけど、果たしてこの低気温でのLowモードの持ち時間と明るさの按配は如何に?


っと、前置きが長くなりましたが試走始めます。

天気予報によると最高気温は3度で寒波が大暴れ中。ジャージの選択は以下のとおり。

頭:ヘッドキャップ、ネックウォーマ
上:フグジャケット、クラフトワームベースレイヤー、フラッドラッシュパワーメッシュ、PBPベスト
下:ウィンドブレークビブタイツ、腹巻
予備:目だしキャップ、レインジャケット、ウィンドブレーカー下


コース
http://yahoo.jp/44VU_R


現地へは神戸からジャンボフェリーに乗って5時に高松着。
夏の試走では乗客がたくさん居て寝るスペースが無くって睡眠不足に陥った。睡眠不足での400kmは眠くて眠くてとても大変な目にあったので今回は個室を確保して睡眠を確保することにした。
個室でフリーダムになれれば眠れるだろう。
そう思ってました。


はい、甘いです。
結局出航が1時で到着が5時。個室は4時30分には空けないといけないのでなんやかんやしてると結局眠れるのは3時間程度になる。
そもそもの睡眠時間が足りないのだ。眠らなくても大丈夫な人ならOKなんだろうけど、私はちゃんと眠らないとだめな人なのでキツカッタ…
このコースに挑むならば前泊推奨です。ジャンボフェリーはお勧めしません。
なお、今回も乗客多目で2等室ではのびのびと眠ることはできなさそうでした。


5:20頃高松駅に到着。

寒いのは当たり前なのだけど風がきつい。
西風だ。私が今から進む方向から吹いてくる。つまり向かい風だ。
なんでも風速11m/sらしい…
風きり音で風の強さをお察しください。

本来向かい風に強いリカンベントだが、ここまで強風だとさすがにしんどい。
私の脚ではリカンベントをもってしても時速25kmの速度をだすのがやっと…
先が思いやられる。

6:44瀬戸大橋の写真ポイントに到達。

太陽が昇りだんだんと明るくなる。
天気予報では曇りだったが、ええ感じの晴れ。気持ちの良いサイクリング日和だ。風さえなければ。


PC1 75km地点に到着。
 到着時間 08:49 タイム 03:24 Ave 22.1km/h
プリンを食べ携帯食を購入して走り出す。
ここにいたるまでにおいしそうなうどん屋さんがあった。
いつもなら立ち寄ってウマウマするところだが今回はタイムアタックだ。
食べたいな〜という心を抑えて走る。


嗚呼、うどん県の讃岐うどん食べたいな。


適時携帯してるパンやチョコを食べつつ走るが…
110km、新居浜あたりでどうも腹が満たされていない感じがし始め、向かい風にへこたれ始める。
西条を過ぎて進路が北に変わる。
やっと西風の向かい風から開放されると期待したが、北を向いても向かい風。
風の呪縛からは逃れることはできなかった…


今治までもうすぐというところでエネルギーの枯渇と飢餓感が半端なく襲ってきて、さらに西条で発生した眠気のせいでスピードが格段に落ちてしまった。
目に付いたすき屋へ飛び込んでカレーを補給。
サイクリング時のカレーの旨さは格別ですね。体に活力が戻ってくる。
それにしても、ちゃんと補給はしてたのになぜこんなにエネルギー切れが発生したのだと思ったが、寒さによるエネルギー消費の分を考慮にいれていなかった。
寒いから体温保つためにエネルギー消費がいつもより多くなってるんだね。
こりゃ失敗。


PC2 157km地点 サンライズ糸山へ到着。 
 到着時間 13:11 タイム 04:13 距離 82km Ave 19.5km/h


先ほどカレーを食べたので飯は要らない。何か買い物をしてレシートをもらわないと行けないが…
おみやげ物が多くてかさばるものが多い。ちょっと重いが塩飴の袋をレジに持っていく途中、私をじっと見る視線に気がついた。
なんだい?一緒に旅をしたいのか?

っと、ようこそバリーさん、後部座席は君の場所だ。


しまなみ海道を進む。
またしても向かい風。いつになったら風から開放されるのか?そろそろへこたれてきたのだけど…
松の内も明けてないというのに結構サイクリストが走ってる。
しかも、カップル率多目。いいねぇ正月早々にしまなみ海道をサイクリングデート。
気温は0度だが、二人の世界は熱々だぜ。ひゅーひゅー。


しまなみ海道は順当に渡りきり、最後の因島大橋にて夕日を迎える。

夏のしまなみ海道も綺麗だったが、冬の澄んだ空気の中の海と橋と空は凛とした風情でとてもすばらしい。


でも寒いな…


尾道への渡船を渡りきるころには暗くなり始めていた。
PC3のミスドに到着。
 到着時間 17:12 タイム 03:43 距離 70.18km Ave 18.8km/h


冷えた体を温めるべくミスドでコーヒーでもと思ったが、店内は若い衆で一杯のため着座する余地なし。
ドーナッツ2つ購入したもののどうにもそれだけではエネルギー不足を感じ、隣の尾道ラーメンを頂く。
嗚呼、温かい食べものは最高だ。

※このほかから揚げと焼き飯もおいしく頂きました。


尾道よりは本州を走る。
日が落ちてさっきまで吹いてた強い西風がぱたりと止んで微風の西風。
228km走ってきてようやく得られた追い風。
やっと気分よく走れるよっと思ったものの、すでにかなり疲れてきてる。
気温も日が落ちて0度を切る状態になっている。日中は2度から6度くらいあったのだけど、やはり夜は寒くなるね。
今回はタイムアタックモードで!と走ってきたものの尾道では1時間近くもマッタリとしてしまっている。前半速度の伸びも悪いし、これからはいつもどおりにお気楽に走ろう。
私には誰かさんみたいに止まらず走り続けるなんてことは無理なんだ。


暗闇の中岡山を目指して走る。
が、眠い!!!
もうすぐ井原の通過チェックというところで進路上にジョイフル発見。
たまらずピットイン。
しばしの仮眠 Zzzzzzzz


30分ほど休憩して再度走り出す。
すっかり体が冷えてるので走りはじめが寒いの何の。
どんどんエネルギーが熱に変えられていってる感じがする。
もしかして、真冬に走ればめっちゃダイエットになる????


通過チェック 井原
 到着時間 20:29 タイム 02:25 距離 37.77km Ave 15.5km/h


キューシートではサブルートとして矢掛宿を通過することもできるように指示されている。
参加者を楽しませてあげようというディレクターの心遣いだ。
でも、すんません。寒いからメインルートで行きます。くらいしね。ごめんねっ!


297kkm地点、国分寺では備中国分寺の五重の塔が22時までライトアップされているらしく、暗闇のなか白く光っている。これはなかなか綺麗だなぁ〜と

(写真提供:ひらまつさん)
儲けた気分で走っていく。


PC4 岡山 313km地点
 到着時間 22:35 タイム 02:03 距離 48km Ave 23.3km/h


岡山を抜けるとさらに冷え込みが増したような感がある。
残り87km程度なので踏ん張っていきましょう!


和気あたりを走ってると先ほど私を抜いていった車が路肩に駐車して降りてきた。
気にせず通過しようとすると、ビール片手に持ったアンちゃんが声掛けてくる。

『マツ!どこ行くんだ?マツッ!』(名前はうろ覚え)

気にせず走るとまだ声掛けてくる。
これは明らかに私宛の言葉だよな?
なんだろ?
とりあえず止ってお話。
なんか知り合いと間違えたらしいです。


あんたの知り合いには三が日の夜中にリカンベントでサイクリングする人がおるんかいなっと。
その人と友達になりたいわっ!


赤穂にでる直前の峠、帆船峠を登る。
ガーミンくんによると登る毎にぐんぐん気温が下がっていき、頂上では氷点下6.9度をマーク。
あーこれは寒いわ。さむいわー
おまけに鹿の気配がプンプンしてて、草むらではガサガサと音がしている。
いつものようにアパッチの雄たけび上げつつ走るが、鹿よこっちに突進してくるなよ。危ないし。

峠の斜度はゆるゆるで気温以外ではさして苦労せず登りきり、下りにはいる。
これが寒いの何の。
登りで温まったからだが一瞬で冷やされる。ひやひや。


通過チェック 赤穂 368.9km
 到着時間 01:23 タイム 02:37 距離 55.04km Ave 21.0km/h


すっかり体は冷え切る、しばしホットコーヒー抱えながら店内にとどまるが一向に温まる気配なし。
少し先にジョイフルがあったはずなので、そちらに避難。
暖まるご飯を食べながら休憩。
寒いと駄目ね。温かいものを食べないと体がまいってしまう。


ある程度暖まったところで再発進。
ここからキューシートの指示が細かくなるので間違えないように走る。
ゴールはもうすぐだ。

Arrive 姫路 401.41km
 到着時間 03:59 タイム 02:22 距離 32.48km Ave 13.6km/h


距離: 401.42 km
タイム: 22:34:32
平均スピード: 17.8 km/h
平均移動速度: 22.3 km/h
高度上昇値: 3,450 m
カロリー: 6,764 C
平均気温: 0.8 °C
平均パワー: 124 W
最高パワー: 581 W
Max Avg Power (20 min): 159 W
Normalized Power (NP): 137 W
Intensity Factor (IF): 0.684
Training Stress Score (TSS): 708.1


とりあえずゴール受付地点予定のジョイフルへ移動。
暖かい店内でぬくぬくしたい!


が、なぜかジョイフル、寒い。
ライド中は着ることが無かったレインジャケット、ウィンドブレーカ、ゴアグローブなど持ってきた防寒着をフル装備する羽目に。
なんでこんなに寒いんだよ!!!


日が昇って明るくなるまで休憩。
本来は家まであと100kmほど自走する予定だったのだけど。(夏の試走のときは自走した)
もう寒さにやられてしまって、これ以上寒空の中はしる気分にならず。
姫路駅から輪行して帰ることにする。
しかし、輪行袋は持ってきてないのでコンビニでゴミ袋、ガムテープ、ビニール紐を調達。
人生初のリカンベントのゴミ袋輪行にチャレンジ!!!

2014/6/26 加筆 JRの規定では輪行は専用の袋に収納することが必要とされています。この時はたまたま乗車できましたが、本来は規約違反となりゴミ袋輪行では乗車することができません。輪行するときは専用の袋にいれましょう!

結構綺麗に収まった。やればできるんやん?ただ、50分ほどかかるのが玉に瑕。

だけどこれでコツがわかったので次はもっと速くできるのかな?

なんか見た目が死体袋みたいだけど…怪しい。


最後に今回の3つの試みの結果

1.寒さ対策にハンドルカバー装着
→快適。だけどハンドル取り付けのためにあいてる開口部から風が入ってきて冷たい場面も。要対策。

2.走行方針はタイムアタック
→無理でした。寄り道最高!

3.FANDYFIRE UV-S5を投入
→Lowモードでも十分な明るさを確保できてる。バッテリの持ちもこの寒い中にもかかわらず問題なし。
ただし、ハブ軸に取り付けていたので遠方を照らすことができず、取り付け位置を再考する必要がある。