パリまであとなんコギ

交通事故にて頸椎骨折し障害を得たリカンベント乗りが再びパリ・ブレスト・パリを完走するまでの記録(予定)

谷垣幹事長の頸髄損傷に想う

先日より自転車での転倒で怪我をして入院していた谷垣さん。
とうとう幹事長の続投を断念されましたね。
自民党幹事長に二階俊博氏起用 入院の谷垣禎一氏は続投断念 3日の内閣改造で安倍晋三首相決断



怪我の状況が頸髄(けいずい)損傷を伝えられていたのでやはりか…と仕方がない気もしますし、軽微であってほしいと願っていた思いは届かなかったか、と残念な気持ちです。


頸髄損傷というのは背骨の中の脊髄を損傷してしまう怪我です。
その中でも頸髄というと頭に近い部分の脊髄、要は首の神経ですね。

頸髄損傷とは
http://okeison.com/keison/keison2.html


首の骨、頚椎は上から第一頸椎、第二頸椎と七つあって上からC1、C2と略されることが多いようです。
上に近い場所を損傷するほどに症状が重くなって、C1やC2などの頸髄を損傷してしまうと呼吸器を動かす筋肉が停止してしまうため息が出来なくなって死んでしまいます。
ブラックエンジェルズの雪藤さんがスポークで首筋を刺して外道さんたちを送り出していましたが、あれは今思うと脊髄狙いだったんでしょうねぇ…


事故で背骨を折ってしまったTORIALさんが脊髄損傷について記事を書かれているのでご紹介します。

筋金抜きライダーのブログ 脊髄損傷について
http://sujigane.blogspot.jp/2016/07/blog-post.html?spref=tw

私が損傷したのはC5,C6で比較的下の部位で神経への損傷が深刻ではなかったため不全マヒで済みました。
今では一般人と変わらず生活を出来ていますが、それでも起立性貧血になりやすかったり、排泄に難があったり、感覚がなかったりで色々大変なんですよね。

そんな私でも入院時は1か月目は寝たきりで体を動かすことはままならず。
握力なんて2kgもないくらいで箸もスプーンもまともに持てない状態。
そこから2か月リハビリしてようやく杖つきで歩けるようになりました。
http://d.hatena.ne.jp/take3-HBR/20140126/1390748241


神経は損傷してしまうと骨折などと違い自然治癒することがないからそのまんまなんですよね。
iPS細胞の研究が進めば希望がでてくるかもしれないと言われていますが、どうなんでしょうね。
STAP細胞は…


どこまで健康な所まで体を戻せるかは本人のリハビリ次第。
谷垣さんも入院してまだ間がないから、多分体は動かせる状態じゃないだろうね。
C1やC2などの上位部位を損傷していると全身まひの可能性も出てくるだろうし…


でも谷垣さん、リハビリを頑張ってまた仕事や自転車に復帰してほしいもんだ。
リハビリに必要なのは『自分を取り戻す』熱意だからね。仕事はしらんけど自転車は大好きそうだし、きっと大丈夫だよ。
もしかして、私と同じようにハンドサイクルのカタログを調べてるかもしれないしね。


というわけで、ざっくりと書きましたが頸髄損傷はとっても大変な怪我なのでみんな安全に気を配って自転車に乗りましょうね。
特にロードバイクは前転してしまうリスクがあって、『前転で頸髄損傷してしまった』よく聞く話なので。


あと、家族の方へお願い。
自転車で怪我をしてしまった家族を心配するあまり、自転車を禁止してしまう。
この気持ちは良くわかる。
良くわかるんだけど、自転車乗りから自転車を取り上げてしまうとリハビリをする目標を失ってしまうのですよ。
『やりたいことやれるようになる!』のがリハビリの原動力なのです。
その源を奪ってしまうと頑張れません。
精神的に強い人であればほかに目標を見つけて頑張れるかもしれません、でも私のように弱い人間は目標を失ってしまって頑張れないのです。
お年寄りが怪我をしてしまってからリハビリを頑張れないのと同じです。『もういいや』と思ってしまうとそこでおしまいなのです。
だから、お願いです。完全には自転車を取り上げないであげてください。せめて近所くらいは許してあげてください。


ロードだとまた前転するかもしれないから、こんどはリカンベントでね。


これなら前転リスクは皆無!
え?こんどは被視認性が?

車からどのようにリカンベントが見えているか?
http://d.hatena.ne.jp/take3-HBR/20140703/1404400079

痛しかゆしやね。